オルソケラトロジーについて
特殊なデザインの高酸素透過性コンタクトレンズを用い、角膜の形状を矯正し、視力を回復させる角膜矯正法のことです。
LASIKは屈折矯正としてはよく知られている治療方法です。これは、角膜の表面を削りやや平坦にすることで近視などを矯正する方法です。オルソケラトロジーでの理論もLASIKに類しており、オルソケラトロジーレンズで角膜表面形状をLASIK後のようなやや平坦な形状にかえることで近視を矯正しています。LASIKは一度してしまうと元の眼に戻せませんが、オルソケラトロジーは、レンズの装用をやめれば、元の眼に戻せる点で、安全な矯正方法といえます。
[就寝前]
就寝前にレンズを装着
[睡眠中]
睡眠中に角膜が矯正される
[翌日]
朝起床時にレンズを外し⇒視力回復
いままでのコンタクトレンズとは逆の使い方で、夜寝る時にレンズを装用し、朝起きて外すだけで角膜の形状が変化し視力が回復します。回復した視力は一定期間維持され、日中は裸眼でも良く見えるようになります。画期的な最新の近視矯正法として、現在世界的に注目を浴びています。
オルソケラトロジーの安全性
オルソケラトロジーは、アメリカで30年以上前から研究・施術され、現在、アメリカ・ヨーロッパ・アジアを中心に、世界各国でその安全性と効果が認められ、実施されております。レーシック等の外科的手術と異なり、レンズの装用を中止すれば、角膜の形状は元に戻りますので、安心してお使いいただけます。また、日中装用のコンタクトレンズとくらべても、夜間の装用なので、ほこり等が目に入ったりせず、レンズを紛失する心配も減るなど、安全・快適にお使いいただくことが出来、リスクは一般のコンタクトレンズと同等またはそれ以下となります。
http://www.emeraldlens.com/top_m.html
マイエメラルド(Emerald™)は、米国FDA・ヨーロッパCEマーク認可の長年世界各国で使用実績のあるレンズです。日本国内でも厚生労働省に認可されております。
http://www.alphacl.co.jp/general/orthokeratology/about.html
αオルソ-Kは、2009年に日本で初めて厚労省から承認取得したオルソケラトロジーです。基本構造は同じですが、角膜乱視にも合わせることが出来るデザインのレンズもご用意できます。
当院では、上記2社の製品を取り扱っております。治療費は同じです。
(治療レンズは検査データを精査し、医師が決定します)
小児期の近視進行予防を目的に開発された低濃度0.01%アトロピン点眼薬と併せてご利用いただくことも可能です。(近視抑制効果があります)
動画説明はこちら
医療費控除の対象になりますので、10万円を越した費用は補助が得られます。詳しくはこちら↓の国税庁による回答ページをご覧下さい。
オルソケラトロジー(角膜矯正療法)による近視治療に係る費用の医療費控除
No.1122 医療費控除の対象となる医療費|国税庁 (nta.go.jp)(2021.5現在)
オルソケラトロジーのメリット
- メガネやコンタクトレンズが煩わしい方へ
- 職業上メガネの使用が難しかったり、「時間がたつとゴロゴロする」「夕方になると充血しがち」等、コンタクトレンズの不快感から解放されたい方へ。
- 裸眼でスポーツを楽しみたい方へ
- 野球・サッカー等のスポーツや、水泳・サーフィン・スキューバーダイビング等の水中のスポーツをされる方へ、裸眼で安全にスポーツを楽しめます。
- 外科的手術のレーシック等に抵抗がある方へ
- 「手術なのでやはりこわい」「術後の感染症などが不安」という方へ。オルソケラトロジーなら、レンズの装用を中止すれば角膜は元の状態に戻りますので安心です。
- 近視進行の抑制効果があります
- オルソケラトロジーを継続すると、近視の進行が抑制できる可能性があります。
(ここ最近、オルソケラトロジーによる近視抑制効果が論文等で報告されています) - 取り扱いは簡単
- レンズの取り扱いは一般のハードコンタクトレンズと同様です。
また、夜間装用なので、日中装用のようにホコリやゴミなどが目に入ることもなく目への負担やレンズを破損・紛失するリスクも少なくなります。
治療スケジュール
- 1.初診のご予約
- 初診は、お電話にてご予約が必要となります。(06-6423-9720)
現在ハードコンタクトレンズをお使いの方は、1週間以上レンズの使用を中止していただく必要がございます。
- 2.適応検査
- オルソケラトロジーが可能かどうか適応検査を受けます。
- 3.カウンセリング
- 検査結果を下に、説明を行います。疑問点につきましてはご遠慮なくお尋ねください。
- 4.テスト装用
- オルソケラトロジー適応と判断された場合は、院内で1時間前後、トライアルレンズを装用していただきます。
※レンズの貸出(1週間)も可能です。
- 5.治療開始
- オルソケラトロジーの効果を確認できたら、治療を開始します。
- 6.定期検診
- 検診は、翌日・1週間後・2週間後・1ヵ月後・3ヵ月後となり、以降3ヵ月ごとの検診となります。
費用
健康保険適応外のため、自費診療扱いとなります。
片眼 71,500円 両眼 143,000円 (税込)
※2019年10月1日以降の検査予約の患者様より上記金額とさせていただきます
オルソケラトロジーレンズ代金、1ヶ月分の洗浄液やレンズケースなどのケア用品、1ヶ月までの定期検査費用を含みます。
1ヶ月以降のケア用品代金は別途必要になります。
1ヶ月以降の定期健診費用は自費診療で1回550円となります。(投薬のない場合)
投薬治療が必要な場合は、点眼薬も実費となります。院内でお渡しできるよう準備しております。
1週間トライアルする場合、レンズの保証金として55,000円をお預かりさせていただきます。そのままオルソケラトロジー治療に移る場合は、上記金額の差額分をお支払い願います。また、トライアル後オルソケラトロジー治療をやめる場合は、33,000円を払い戻しさせていただきます。
レンズ紛失時・破損時 レンズ代金 1枚 33,000円(税込)
「近視抑制治療」(低濃度アトロピン0.01%点眼薬)との併用も可能です。低濃度0.01%アトロピン治療の流れ・費用についてはこちら
よくあるご質問
- すぐに視力は回復しますか?
- 若年の方で、比較的近視が軽ければ、約1時間のレンズ装用で1.0以上に矯正できることもあります。年齢や近視の度合いなど個人差によりますが、適応範囲の方では、ほとんどの方が1週間前後で十分な視力を得られます。
- レンズの扱いは難しくないですか?
- 多少注意を要しますが、基本的な扱いは通常のハードコンタクトレンズを変わりません。
- レンズの装用は痛くないでしょうか?
- 通常のコンタクトレンズ同様、レンズに慣れるまでは装用感が気になることがあります。痛みや違和感が続く場合はご相談ください。
- オルソケラトロジー治療はどんな人に向いていますか?
- スポーツをされている方、コンタクトレンズや眼鏡の装用が煩わしい方、職業上または資格取得のために裸眼視力が必要な方に適しています。また、眼鏡やコンタクトレンズ使用患者で、短期間で近視が進行している場合、オルソケラトロジーの治療により近視が抑制される可能性があります。
- オルソケラトロジー治療に向かない人はどんな人でしょうか?
- 強度の近視・乱視の方や他の眼疾患のある方には適応できない場合があります。いずれも適応検査の結果をもとに判断します。
- オルソケラトロジーの適応かどうかわかりますか?
- 詳しくは、適応検査を行った後にお答えしますが、詳細は日本コンタクトレンズ学会から出ております「オルソケラトロジーガイドライン」を参照ください。