- レッドライト療法とは?
- レッドライト療法で視力回復する?レッドライト療法の特徴
- レッドライト療法の効果
- レッドライト療法の使用方法
- レッドライト療法の流れ
- レッドライト療法の注意事項
- レッドライト療法の費用
- デバイスの取り扱いについて
- レッドライト療法のよくある質問
レッドライト療法とは?
レッドライト療法とは、650nmの低出力赤色光を、専用デバイスを用いて1日2回、1回あたり3分間照射する近視の進行抑制治療です。週に5日(10回)の治療を継続することで、近視の進行を87.7%抑える効果が確認されています。
2014年、650nmの低出力赤色光(レッドライト)に眼軸の伸長を抑制する効果が発見されたことから、このような名前がついています。
当院では、「アイライジング(Eyerising)」というデバイスをご自宅でご使用いただくレッドライト療法を行っております。
※アイライジングは、国内では未承認の医療機器です。
近視とは?
近視とは、主に眼軸の伸長を原因として、ピントが網膜の手前で合ってしまう屈折異常です。一度伸びた眼軸は元には戻りません。
近視の進行を抑制するためには、眼軸の伸長を抑えることが大切になります。当院ではレッドライト療法以外にも、低濃度アトロピン治療、オルソケラトロジーなどの近視進行抑制治療を行っております。
<デバイスのメーカーHP>
https://www.eyerisinginternational.com/
※最初の画面は「Patient(患者)」→「Japan」を選択してください。
レッドライト療法で視力回復する?レッドライト療法の特徴
レッドライト療法は、あくまで近視の進行を抑制する治療です。そのため、視力の維持には役立ちますが、低下した視力が回復するということは期待できません。
ただ、近視が進行すると黄斑変性症、網膜剥離、緑内障などのリスクが高まるため、レッドライト療法によって近視の進行を抑えることは、これらの眼疾患の予防につながるということが言えます。
近視治療用機器Eyerising(アイライジング)
レッドライト療法では、専用の治療器「アイライジング(Eyerising)」を使用します。
レッドライト療法の安全性
アイライジングは、「IEC 60825-1:2014」規格のクラス1相当の製品であり、網膜における熱障害を起こしません。眼球へと直接照射しても、安全に使用できるものと考えられます。
海外の臨床試験においても、レッドライトの安全性は高く評価されています。
対象
近視の診断を受けた3~16歳の子ども
レッドライト療法が受けられない人
- 斜視がある
- どちらかの目に視機能異常が認められる
- どちらかの目に眼球異常(※)がある
- 遺伝性網脈絡膜疾患の家族歴がある
- 瞳孔拡大がある
- アトロピン、シクロペントラート、トロピカミドといった瞳孔散大を起こす薬剤を投与した後(アトロピンは本治療の2週間以上前に中止する)
※眼球異常には、未熟児網膜症、網膜剥離、若年性黄斑変性症、網膜芽細胞腫、小児ぶどう膜炎などが該当します。
レッドライト療法の効果
海外での臨床試験では、アイライジングを適切に使用することで、近視の進行を87.7%抑えられたとの報告がなされています。650nmの低出力赤色光が眼底の血流を促進し、代謝を上げることで、眼軸長の伸長および近視の進行を抑制します。
※レッドライト療法は、近視の進行を緩やかにすることを目的としており、近視の進行を完全に止めるものではありません。
レッドライト療法の使用方法
1日2回、1回あたり3分間、アイライジングを覗き込み、レッドライトを目に当てます。
対象となるのは3~16歳のお子さんですが、8歳までのお子さんの場合には、必ず親御さんがそばについて、治療を手伝ってあげてください。
- 週に5日のペースが推奨されています。
- 1日2回、治療を行います。1回目と2回目は、4時間以上の間隔をあけてください。また1日3回以上、アイライジングを使用しないでください。
- 治療の際、眼鏡・コンタクトレンズは外してください。
- 治療中は、できるだけ目を開き、光を見ます。
- アイライジングは、上記の規定の照射時間・照射回数を超えて使用できないよう設定されています。
- 一時的な副作用が出ることがあります。そのため、治療後は3分ほど目を閉じ、安静にしてください。
レッドライト療法の流れ
1適応検査・診察
レッドライト療法の適応となるかどうかを確かめる検査・診察を行います。
適応となり、治療内容・費用などご理解・ご同意いただけましたら、デバイス(アイライジング)を発注します。
2デバイスの到着・貸与
2~3週間後、デバイスが当院に到着します。患者さんにご来院いただき、お渡しします。
動作不良があった場合は返品するため、梱包してあった箱は破棄せず、ご自宅で大切に保管してください。
※デバイスの第三者への貸与・譲渡・転売は禁止されています。
3ユーザー登録
デバイスをご自宅に持ち帰っていただき、スマホなどで梱包箱に記載されているQRコードを読み取り、リンク先でユーザー登録を行ってください。
ユーザー登録の際に記入したEメールアドレスに、「アイライジング・カスタマーポータルサイト」のリンクが貼られたメールが届きます。
4ポータルサイトでの手続き
- 【日本語の設定】左側のメニュー「My Details」→「Language」→「日本語」を選択→ページ最下部で「保存」
- 【デバイス登録】左側のメニュー「患者」→右上「患者を追加」→患者情報を入力→「患者を保存」
- 【支払い手続き設定】左側のメニュー「患者」→右側のメニュー「更新」→プラン選択→カード情報入力→「確定」
※サブスクリプション料金のお支払いは、クレジットカード払いのみとなります(JCB非対応)。
※海外へのお支払いとなるため、クレジットカード会社へのセキュリティーロック解除の申請が必要になることがあります。詳細は、各クレジットカード会社へお問合せ下さい。
※患者登録は、1台のデバイスにつき5人まで可能です。ただし、登録人数分のお支払いが必要です。 - 【登録した情報の確認】登録したEメールアドレスに、デバイス使用時に入力するユーザー名・パスワード情報が届きます。
- 【デバイスのインターネット接続】インターネットに接続したデバイスに、ユーザー名・パスワードを入力すれば、治療を開始できます。治療スケジュールが守れているかどうかは、インターネット経由でポータルサイトに反映されます。
※詳しいデバイスの使用方法は、以下のリンク先にある動画でご覧ください。
<使用方法動画>
使用方法の解説動画はこちらへ
5治療開始
デバイスによるレッドライト療法を開始します。
6定期検査
定期的にご来院いただき、視力・眼軸長・治療スケジュールの遵守状況・眼底の状態などを確認します。
レッドライト療法の注意事項
レッドライト療法をご希望の方には詳しくお伝えしますが、以下のような注意事項があることを、予めご留意ください。
- 低濃度アトロピン治療との併用はできません。レッドライト療法を行う場合には、治療開始日より2週間以上前に、アトロピンの点眼を中止する必要があります。
- 治療直後、一時的に光の眩しさ、閃光盲、残像といった副作用が起こることがあります。治療後は3分ほど、目を閉じて安静にされることをおすすめします。通常、治療を継続していくことで、これらの副作用は軽減していきます。
- 眩しさ、閃光盲、残像などの症状が5分を超えて続くことが3回以上あった場合、治療を中止し、当院にご連絡ください。
- ごく稀に、光治療に対する過敏反応を原因として、網膜障害、視力低下が起こることがあります。光過敏症、眼刺激、眼熱傷などが生じた場合には、すぐに治療を中止し、当院にご連絡ください。
レッドライト療法の費用
レッドライト療法には、保険が適用されません。患者さんの全額自己負担となります。
なお、他の保険診療と同日に、本治療の適応検査を受けることもできません。
検査費・治療費
項目 | 検査内容 | 費用(税込) | |
---|---|---|---|
初年度 | 適応検査 | 視力、レフケラト、細隙灯顕微鏡検査*1、眼軸長、OCT、眼底写真撮影(自発蛍光)検査*2 等の検査費用 | 5,500円 |
初年度 | 治療費検査費 | デバイス貸与+治療開始後1、3、6、9、12か月後までの検査費用を含みます。 | 154,000円 |
2年目以降 | 適応検査 | 1来院ごとの検査費用(6ヶ月毎の受診推奨) | 3,300円 |
*1細隙灯顕微鏡検査:角膜や結膜、水晶体、虹彩などの前眼部といわれる部分を観察する検査です。
*2 OCT検査:OCT検査とは、光の干渉性を利用して眼の奥の網膜や血管などの微細構造を画像化する検査です。
メーカーへ直接支払う費用(サブスクリプション料金)
支払方法 | 費用(税込) | |
サブスクリプションプラン | 毎月払い | 8,250円(税込) |
---|---|---|
一括払い(1年分) | 89,100円(税込)10%OFF | |
一括払い(2年分) | 158,400円(税込)20%OFF |
※お支払い完了後はサブスクリプション料金の返金は受けられません。(返金保証トライアルを除く)
※サブスクリプション料金の支払い手続きでエラー等が出る場合はクレジットカードへお問い合わせ下さい。
返金保証トライアル制度
アイライジングを1ヶ月間使用した時点で、治療の継続をご希望されない場合、次の条件を満たしている場に限り、メーカーよりサブスクリプション料金の全額が返金されます。
- 治療開始前と治療開始1カ月後の検査データとして「屈折値」、「眼軸長(測定機器がある場合)」が得られており、その医療機関(当院)を通じてメーカーへと共有されることに同意している。
- サブスクリプションプランは「1年分一括払い(返金保証トライアル)」、もしくは「2年分一括払い(返金保証トライアル)」のどちらかを選択している。
※上記以外のプランを選択された場合、返金保証トライアルの対象外となります。 - 治療開始から1ヶ月までの遵守状況(コンプライアンス)が75%以上である。
※治療スケジュールの遵守状況は、ポータルサイトでいつでも確認ができます。 - 梱包箱、デバイス本体に汚れ・傷がない状態で医療機関に返品している。
- 返品されたデバイスの正常な作動を医療機関が確認できている。
- サブスクリプション料金の支払いから2ヶ月以内に、医療機関へ返金の申し出をしている。
※当院でお支払いになった治療費については、50%(77,000円)を返金します。ただし、使用開始後2ヶ月を過ぎている場合には、返金できません。当院からの返金は、77,000円のみとなりますので、ご注意ください。
※不要となった治療機器は、当院にご返却ください。返金保証トライアルの対象外である場合も、不要となった治療機器は当院にご返却をお願いします。
デバイスの取り扱いについて
デバイスの保証内容
- デバイスの耐用年数および保証期間は、製造から5年間です。
- 耐用年数を超えてからも治療を継続する場合には、新しいデバイスが無料で提供されます。
- 保証期間中に適切な方法で使用したにもかかわらず、デバイスの故障が発生した場合、保証が受けられます。
- ただし、以下のようなケースにおいては、保証の対象外となります。
①損傷や落下、機械的な損傷、水の浸入といった、偶発的な要因や人的な要因などによる故障
②落雷、地震、火災、その他の天災といった不可抗力による損害 - その他、デバイスに貼られたステッカーが取り除かれている、拭き取られている、こすり取られている等、何らかの変更がある場合も保証の対象外となります。
※製品の保証にかかわる最終的な判断は、メーカーによってなされます。
デバイスの注意点
医療機関を変更される場合
- 引っ越しなどで受診する医療機関を変更する場合、デバイスを返却していただく必要があります。必ず、当院にご連絡ください。
- 次の医療機関では、その医療機関が設定する費用のもと、新たにデバイスの貸与を受ける必要があります。なお、サブスクリプション機関が有効である場合、メーカーへと依頼し、新しいデバイスを引き継ぐことが可能です。
海外へ持ち出しする場合(留学など)
- 本デバイスは、100V~240Vまでの電圧に対応しているため、ほんとどの国・地域で利用できます。ただし、海外のコンセントに対応する変換プラグが必要ですので、ご注意ください。
- 本デバイスを渡航先へと持ち込むことが可能であるかどうかは、航空会社や旅行代理店への問い合わせ、あるいはご自身での各国での制度の確認などでご判断ください。問い合わせ後、回答に時間がかかることがあるため、お早目のご確認をおすすめします。
その他注意点
- レッドライト療法をご希望の方は、必ずご予約の上、ご来院ください。
- 初回の適応検査・診察では検査項目や説明事項が多いため、1~2時間程度を要します。なお、医師の指定はできません。予めご了承ください。
- デバイスの操作、カスタマーポータルサイト等に関するご質問がある場合は eyerising-jp@eyelens.sg宛てにメールをお送りください。
カスタマーサポートは、販売代理店のシンガポールEye-Lens社が代行しています。
(クリニックへのお電話ではご対応いたしかねます。お手数をおかけいたしますが、お問い合わせはメールにてお願いいたします。) - ポータルサイトにご登録された個人情報(クレジットカード情報を除く)は、メーカーが指定する販売代理店、メンテナンス事業者も閲覧が可能となります。予めご了承ください。
レッドライト療法のよくある質問
レッドライト治療法は安全ですか?
レッドライト療法で使用するアイライジングは、「IEC 60825-1:2014」規格のクラス1相当の製品です。網膜への熱障害の心配はなく、眼球への直接照射は安全であると言われています。海外における臨床試験でも、レッドライト療法の良好な忍容性が確認されています。
治療後、一時的に眩しさ・閃光盲・残像が生じることがありますが、通常は数分以内に治まります。治療後は目を閉じて3分ほど、安静にされることをおすすめします。
レッドライトの照射時間はどのくらい?
1回あたりの照射時間は3分間です。1日2回、週5日のペースで照射を行っていきます。なお、1日のうちの1回目と2回目の照射は、4時間以上の間隔をあけて行ってください。
レッドライト療法は保険適用ですか?
レッドライト療法には、保険が適用されません。検査を含め、患者さんの全額自己負担となります。
レッドライト療法の副作用はどんな症状ですか?
比較的起こりやすい副作用としては、眩しさ・閃光盲・残像があります。通常、数分以内に治まります。また治療を継続することで、これらの副作用が起こりにくくなります。その他、ごく稀な副作用として、網膜障害・視力低下を起こすことがあります。
眩しさ・閃光盲・残像といった副作用が5分を超えて続くことが3回以上あった場合、その他気になる副作用が現れた場合には、すぐに当院にご連絡ください。
レッドライト療法はいつまで続けますか?
近視の原因となる眼軸長の伸長は、13~15歳くらいまで続きます。治療を開始した年齢、近視の進行状況などにもよりますが、16歳くらいまでは継続されることをおすすめします。